進みゆく「人材不足」。その中で人材を確保するには?

2019/10/29 #働き方,#人手不足,#保障

人口減少に伴い、今後ますます加速していくことが予想される「人手不足」。
そのような状況においても、優秀な人材を確保するためにはどんな方法が。
その一つの解が、「福利厚生」にありました。

さまざまな業界で進行する「人手不足」。
これからさらに、激しくなることが予想されます。

2019 年現在、日本では幅広い業種において、「人手不足」が進行しています。
その結果、定年延長を採用する企業は大きく増え、女性の社会進出も一般的になってきました。

外国人労働者の受け入れや、AI などを活用した省力化などもさまざまな業界で検討されていますが、これから一層加速する「人口減少」と、それに伴う労働人口の減少により、人手不足はさらに激しさを増していくと予想されます。

企業が「自社のビジネスを支えるための優秀な人材を、どう確保していくか」が、今後、企業の経営を左右する重要なファクターとなることは、間違いなさそうです

「人手が足りない」企業は、年々増えています。

「従業員が不足している」と回答した企業の割合

出所:帝国データバンク調べ(2019)

選ばれる企業となるために、
「福利厚生」という魅力を。

「人手不足」の深刻化が予想される中で、企業が「優秀な人材」を確保するには、仕事を求める人が「魅力」を感じるポイントをつくり、アピールすることが有効です。

では、いま就職活動をする人々は、どのような条件を重視しているのでしょうか。

リクルートキャリアの調査によれば、新卒学生を対象とした調査では、就職先に期待する要素として、1位の「自らの成長が期待できること」に続き、2位には「福利厚生や手当が充実している」ことが挙げられています。

自らの成長を応援してくれる制度・環境や、安心して仕事に邁進するための支援制度など、「働く環境」について重視する方が多いのかもしれません。

就職活動をしている方々に響くメッセージの一つとして、「福利厚生が充実している」ことは、他社との差別化で大きなポイントになっていくのではないでしょうか。
ちなみに、「年収が高い」は8位(18.4%)という結果でした。

就職先を確定する際に、決め手になった項目をすべて教えてください。(複数選択)

出所:リクルートキャリア調べ(2019)

「求められる福利厚生制度」の
キーワードは「安心」。

しかし、福利厚生と一言でいっても、その内容はさまざまです。
では、福利厚生制度の中でも、どのような点に注目する方が多いのでしょうか。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、1位は「人間ドック受診の補助」、4位には「病気休暇制度」、 5位には「病気休職制度」、8位には「治療と仕事の両立支援策」など、怪我や病気になってしまった際の経済的保障 といった「万が一の事態に備えた制度」が多いようです。

変化の激しい社会だからこそ、社員のことを大切にして、万一のときに安心を与えてくれる制度が、いま多くの人に望まれているのかもしれません。

「社員が望む福利厚生」は、
「万一に備えた」ものが上位にあります。

福利厚生制度の中で特に必要性が高いと思うもの

出所:独立行政法人 労働政策研究・研修機構発行「ビジネスレーバートレンド」2018年8・9月号掲載
「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」(企業・従業員)より

POINT

  • 今後、さらに「人手不足」は深刻化する見込み。会社の「魅力」を上手にアピールすることが、重要になってくる。
  • 会社選びの際に、「福利厚生」は重要なアピールポイントとなっている。特に注目は「万一の事態に備えた制度」の整備。

福利厚生は「会社からのメッセージ」。

「福利厚生にお金をかけるなら、その分を給料に反映させた方が良い」という考えの会社もあります。

一方で、「福利厚生に力を入れて、働きやすい環境を追求したい」という考えの会社もあります。

もちろんそれは、どちらも間違った考えではありません。

ただ、従業員のことを考え、何が望まれているのかを聞き、それを実現していくことは、福利厚生を通じて「従業員を大切に思っている」という、会社からのメッセージを伝えることにほかなりません。

そして、会社の想いが従業員にも伝わることで、働く人のモチベーションは高まる結果になれば、企業の「競争力」にも大きな伸びが期待できるのではないでしょうか。

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