税務調査の注意点、教えます。あなたの会社は大丈夫?

2019/11/11 #棚卸し,#税務

調査を受けた会社の約7割は誤りを指摘されるといわれる税務調査。帳簿を元に申告額の妥当性を確認し、誤りや不正が見つかった場合は、修正申告や追徴課税の支払いをすることになります。
あらかじめ税務調査の概要を理解しておけば、それに備えることができ、リスクも軽減できるのではないでしょうか。そこで今回は、税務調査に潜む意外な落とし穴と、とるべき対策について解説します。ぜひ、参考にしてください。

税務調査とは何か。
いったいどんなリスクがあるのか?

税務調査とは、納税者の申告内容が正確なものであるかを税務署の職員が確認する調査のこと。税務調査は、税務署にとっての新年度である7月頃から、調査対象となる企業に文書や電話などで事前通知をするところから始まります。事前通知後、調査日時を調整。日時が決定した後に、実際の調査が行われることになります。ただし証拠隠滅が疑われる場合などは、事前通知なしで抜き打ち調査が実施されます。

税務調査の第一の目的は、“適切で公正な課税の実現”。脱税などの違法行為による税金逃れに目を光らせ、もし誤りや不正があれば、修正申告や追加の課税を求めます。第二の目的は“納税者への牽制”。税務調査が納税者に与える「税負担が増えるかもしれない」という恐怖心による、違法行為の抑制をめざしています。

もし、税務調査で申告内容に誤りが見つかった場合は、不足分の税金とともに、罰則的な税金を追加で納めなければならなくなることもあります。このようなリスクを避けるには、何に注意を払えばよいでしょうか。

税務調査の意外な落とし穴、
「現場確認調査」とは?

税務調査でのリスクを避けたい事業者は、「現場確認調査」に注意を払いましょう。「税務調査は帳簿上の調査が中心だ」と思っていると、いざ現場確認調査となった時に慌てることになります。

現場確認調査とは、棚卸資産や固定資産などの会社の資産を現場で確認する調査のこと。具体的には、調査官が現場に出張し、帳簿に記載されている備品や消耗品が、本当に購入され使用されているかを調べます。もし、備品が現場にない場合は、その理由は何かを質問され、回答が疑わしい場合は、廃棄したのか、転売したのかといったことまで聞かれることもあります。

固定資産管理台帳だけでは不十分。
税務調査に備えて、やっておくべきこと

「固定資産管理台帳で、帳簿上は固定資産の管理を過不足なくできているはずだから税務調査に入られても大丈夫」という考えには落とし穴があります。株式会社ネットレックスが2019年5月に実施したアンケートでは、6割以上の方が固定資産の管理に何らかの課題を抱えており、中でも「固定資産管理台帳と現物に差異がある」という課題が最も多いという結果が出ています。

実態と異なる申告をしてしまうと、万が一現場確認調査が行われた際には、誤りを指摘されかねません。そのようなリスクを軽減するため、固定資産だけでなく、オフィス内にある備品や物品についてもしっかり現物管理を行うことをおすすめします。特に、現場で膨大な数の備品や物品を管理している事業者は、物品管理にかかる手間や時間も膨大なものになるため、物品管理ツールの導入をおすすめします。

現物管理を徹底することで税金が減る場合がある

現物管理を徹底すると、不要な資産を処分せず申告していることに気付くこともあります。そのような時は、固定資産の除却を検討しましょう。固定資産の除却とは、不要になった資産を廃棄すること。除却が行われた場合は、原則として帳簿残高を固定資産除却損で経費計上できるので節税できます。現物管理を徹底すれば、不要な固定資産をすぐに処分できるのでその分メリットも大きくなるのではないでしょうか。

  • 記載内容は、株式会社ネットレックスが作成したものを一部改変して転載したものです。

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