バーコードで効率的に管理しませんか?

2019/10/29 #棚卸し,#バーコード

在庫管理や生産管理、物品管理など、あらゆる管理業務の効率化を助ける技術として普及している「バーコード」。この記事では、バーコードが、オフィスや工場で、何の業務に、どのように活用され、どんな効果を発揮しているかを解説します。

そもそもバーコード管理とは?

バーコードとは、よく商品のパッケージなどに印刷されている、太さの異なる縞模様状の黒線のラベルのことをいいます。あの縞模様の黒線にハンディスキャナなどの読み取り機をかざすことで、個体を識別したり、価格や保管場所などの情報を読み取ったりすることができます。
このバーコードの技術を応用して、モノの移動や出し入れ、売買などの記録をデータベースに保存し、一元管理することを「バーコード管理」といいます。

バーコード管理の活用方法

バーコード管理の強みは、そのスピードと正確性です。

たとえば、ある箱をA地点からB地点に移動したとして、それをデータベースに手入力で記録する作業を想像してみてください。

1箱だけならまだしも、100種類の箱が500個あって、それぞれ異なる出発地点から到着地点に、同時並行的に移動しているとしたら、どうなるでしょう。

これをすべて手入力で記録しようとすると、膨大な時間がかかってしまいそうです。

箱の種類、出発時刻、出発場所、到着地点、移動担当者、保管場所(建物、部屋、何列目の何段目?)…… 入力ミスが発生する可能性は高そうですよね。

バーコード管理であれば、移動の瞬間に箱に貼付されているバーコードを読み取るだけ。あとは自動で読み取った情報がデータベースに記録される上、データベースは誰でも、どこからでもリアルタイムに確認することができます。

このバーコード管理の仕組みは、保管場所からの出し入れや移動、売買、貸出などをともなう、ありとあらゆる「モノの管理」に活用されています。

ここでは、特にビジネスシーンでバーコード管理が大きな役割を果たしている業務領域である「物品管理」「文書管理」「在庫管理」「生産管理」において、バーコード管理がどのように活用され、どんな役割を果たしているかを解説していきます。

物品現物管理(備品・家具・固定資産・什器・工具・IT機器などの現物管理)

物品現物管理とは、企業などの組織が保有しているありとあらゆる物品そのものを、法令や社内規定にのっとって適切に管理・監督する業務のことをいいます。組織が保有する備品、什器、建物、機械などの固定資産の紛失や不正持ち出しを防いだり、固定資産税の無駄を減らしたりする目的で行われることが多いです。

物品現物管理の主な業務は、年に1~2回のペースで行う棚卸しと、物品の新規購入や既存の物品の貸出・廃棄・紛失・修理などのたびにそれを台帳(データベース)に記録していく作業です。この業務を正確に実施するために、各物品現物に管理ラベルを貼りつけて個体を識別する必要があるのです。

そして、この管理ラベルに、バーコードをはじめとする「電子的な情報読み取りができる」ラベルが用いられることが多いのです。

1次元バーコード/QRコード

≪長所≫

  • ラベル単価が安い
  • 管理番号や物品名などの情報を印字できる

≪短所≫

  • 距離が離れると読み取りにくい
  • ラベルが見えないと読み取れない

カメレオンコード/フルスキャンコード

≪長所≫

  • 社内のプリンターで印刷が可能(専用ラベルプリンタが不要)
  • 複数ラベルの同時読み取りができる
  • 1次元バーコード、QRコードと比べ読み取りスピードが速い

≪短所≫

  • ラベルが見えないと読み取れない

ICタグ

≪長所≫

  • 複数タグの同時読み取りができる
  • 見えない状態での読み取りができる
  • 汚れに強い
  • データの書き換えが可能

≪短所≫

  • 他の管理ラベルと比べると価格が高い

文書管理(決算書や契約書、定款などの重要文書の原本管理)

文書管理とは、企業などの組織がビジネスを進める上で発生するあらゆる文書を、法令や社内規定にのっとって適切に管理・監督する業務のことをいいます。

法令でオフィスに保管することを義務付けられている重要文書や、取引に関する機密情報を記載した契約書などの紛失や不正持ち出しを防いだり、必要な人が必要な時に文書を見つけ参照できるようにしたりするために行われます。

このような文書管理においては、文書に「書類の種類」や「保管期限」などの情報を印字した管理ラベルを貼付して管理をしているケースが多いです。さらにこの管理ラベルにバーコードを用いると、次のような効果を期待できます。

  1. 現物棚卸しは目視確認からバーコード読み取り作業に変わるので、作業を効率化することができる。
  2. バーコードを読み取って、文書のステータス(貸出し中・廃棄予定など)や所在情報を簡単に参照・更新することができる。
  3. 誰がいつ文書を保管し、持ち出したのかなどの履歴を蓄積できる。また、蓄積したデータを検索して随時表示できる。

在庫管理(在庫・原材料などの仕入や出荷の管理)

在庫管理におけるバーコード管理のメリットは、仕入れ・出荷情報や在庫数を現場で直接入力できる点にあります。バーコードを読み取って管理を行うことで、手書き・手入力の手間を減らしながら、記載ミスなどのヒューマンエラーを防ぐことができます。

他にも、在庫管理にバーコードを活用することで、手書き・手入力と比べて次のようなメリットがあります。

  1. 自由に持ち運べるハンディターミナルを使って、どのような在庫がいくつ入庫・出庫されたのか、作業担当者が誰なのかを倉庫でリアルタイムに入力できる。実在庫を簡単に把握し、事務所のオペレーターによる入力作業を削減できる。
  2. いつ、どんな在庫が、いくつ入庫、または出庫されたのか、などの入出庫履歴をより簡単・正確に残せる。
  3. 入庫登録の際、棚番とアイテムのバーコードを読み込むことで、どこに、何があるのかを把握でき、効率的な入出庫作業ができる。

生産管理(製造工程や品質などの管理)

バーコード管理の仕組みは、工場などの製造現場でも活用されています。製造現場におけるバーコード管理の中心的な用途は、工程の管理です。作業工程を人力で記録するのではなく、バーコードを読み取ることにより記録することで、管理者は状況を把握しながら判断を下すことに集中できます。
他にも、生産管理にバーコードを活用すると、次のような効果を期待できます。

  1. 図面に貼ったバーコードを読み込んで、案件の情報を確認できるので、情報を登録する手間や管理する工数を削減できる。
  2. 各工程開始時・終了時にバーコード読み取りを実施する事で、各工程の所要時間の記録、工程漏れチェックなどを行うことができる。
  3. ハンディターミナルは特別な知識や技能がなくても簡単に操作できるツールなので、現場スタッフへの導入負担を小さく工程管理を効率化できる。

Excelでバーコード管理はできる?

Excelを使ってバーコード管理の仕組みを自作することはできるのでしょうか。

結論から言うと、自作すること自体は可能です。

自作するために必要なのは、ExcelでのVLOOKUP関数とバーコードリーダーの使い方に関する知識です。

バーコードは高度な知識や技術が無くても自作することができます。ただ、1つ1つバーコードを作成して情報を入力する必要があるため、実際にやってみると、非常に手間がかかってしまうことも。

そのため、ある程度の物品数がある場合には専用のツールを導入することをおすすめします。「管理業務を効率化するために非効率な手作業をする」というジレンマに陥らないよう、最適な管理方法を探してみてください。

  • 記載内容は、株式会社ネットレックスが作成したものを一部改変して転載したものです。

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